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新国立競技場2520億円

新国立競技場2520億円をゴリ押ししたのは誰か

新国立競技場2520億円をゴリ押ししたのは誰か|新聞・週刊誌「三面記事」を読み解く|ダイヤモンド・オンライン http://diamond.jp/articles/-/74806

降旗 学 [ノンフィクションライター] 【第121回】 2015年7月11日

建設費が高騰、批判が相次ぐ新国立競技場 
写真提供:日本スポーツ振興センター
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、メインスタジアムとなる新国立競技場の工事費がようやく決まった――、というか、不可解だらけの疑惑を残し、二五二〇億円というべらぼうな工事費が有識者会議で了承された。

 二五二〇億の内訳は、竹中工務店が担当する「屋根工区」が九五〇億、大成建設が担当する「スタンド工区」が一五七〇億になる。驚きなのは、昨年五月発表の建設費が一六二五億円(解体費用を除く)で、これだけでも額は膨大と言われていたのに、蓋を開けてみれば当初の予定より九〇〇億円も上乗せした二五二〇億に及んだことだ。

 さらにアンビリーバボーなことに、現在、建設費に確保されている財源が六二六億円しかないと言われている(国が三九二億を負担、スポーツ振興基金が一二五億円、totoの売り上げ金から一〇九億円を供出)。

 これに、新国立競技場のネーミングライツ(命名権)で二〇〇億、totoの売り上げから六六〇億を供出する予定だが、それでもぜんぜん足らず、文部科学省は東京都に五〇〇億を負担するよう言い出した。舛添要一都知事は寝耳に水だったようだが、おカネがなければ税金があるじゃん、とお役人さんが得意とする身勝手作戦がオリンピックでも展開されようとしている。

 それでも、まだ五三四億円もの建設費が不足しているのだ。

 何故、こんなことになったのか――? 文部科学省の役人たちが無能だからか。それとも、文科省傘下の独立行政法人『スポーツ振興センター(JSC)』の職員はほとんどが文科省からの出向者で占められているから母体が無能なら傘下団体もやっぱり無能になってしまうのか。JSCには文科省で使えないやつが放り出されているのだろうか? でも本当に使えないのだ、こいつら。

 「JSCも文科省の官僚も最悪だ。都市計画の変更などは難しいと思っていたが、まさか本体をつくる能力もないとは」

 政府関係者は呆れているそうだ。国民も呆れています。舛添さんも呆れている。

 「文科相に任せていたらアウトです。一〇億や二〇億で学校をつくったことはあっても、一〇〇〇億以上の建物をつくった経験もない。責任能力がない」

 二五二〇億という額に落ち着いたとき、JSC幹部はこんなことを言った。

 「国が主導でやることで、JSCがやることではなかった」

 文科省に劣らずJSCもぼんくら揃いな団体だが、しかし、彼らはぼんくらなりに計画は立てていた。それが、石原慎太郎都知事時代に行なわれた、二〇一六年の五輪招致活動である。当時を知る関係者が言う。

「二〇一六年の招致では、『世界一コンパクトな五輪』を掲げ、一九六四年の東京五輪のレガシー(遺産)である旧国立競技場とベイエリアを結ぶ晴海に新スタジアムをつくるというプランでした。旧国立競技場を残し、二つのスタジアムを併用する理想的なプランでしたが、招致失敗でこの案は消えた。二〇二〇年招致に向けて再始動する過程で、新国立競技場を建設するプランが浮上してきたのです」

 当時のプランをスポーツ紙の記者が語る。

 「JSCは、旧国立競技場に耐震補強を施し、改修して継続利用する“改修案”を検討していました。JSCは設計会社に依頼して、改修案が作成された。この案では、収容人員は約七万人(中略)予算は七七七億円でした」

 オリンピックのメインスタジアム建設費は、アテネが約三〇〇億円、北京が約六五〇億円、ロンドンが約七〇〇億円と言われているから、七七七億は妥当な数字ではあった。バブルでもあるまいに、二五二〇億という額が異常すぎるのだ。

 だから、二〇一六年の招致に成功していたか、当時のプランを踏襲していれば、予算は今回の三分の一以下で済んだのだが、それはいまさら言ってもしょうがない。滝川雅美ちゃん……、もとい、滝川クリステルさんの、お・も・て・な・し、が功を奏したかどうかはさておき、日本は二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催国になった。

 そして、二〇一二年三月、各分野十四人のメンバーからなる『国立競技場将来構想有識者会議』が設立された。発足当時は「八万人収容」「開閉式の屋根」「可動式観客席の導入」等々の方針が決められた。問題となる国際デザインコンクール――、いわゆるコンペの実施を発表したのがその年の七月だ。審査委員長には建築家の安藤忠雄氏が就任するが、このときから新国立競技場建設をめぐる迷走が始まるのである。

 コンペの発表が七月。応募の締め切りが九月二五日という異例のスケジュールが組まれた。オリンピックのメインスタジアムにして日本の国立競技場を決めるコンペなのに、応募期間がわずかに二ヵ月しかないというのは、実に不可解と言わざるを得ない。

 不可解なこのコンペには、応募資格まで設けられた。首を傾げたのは東京電機大学の今川憲英教授だ。

 「コンペの応募資格が、収容人数一万五〇〇〇人以上のスタジアム設計経験者と、国際的な建築賞を受賞したことのある人物に限定されており、そのこと自体かなり異例です」

 応募は、海外から三十四点、国内から十二点の計四十六点があった。これをブラインドで一次審査にかけ、二次審査には十一点(海外七・国内四)が残った。二次審査は、各委員(日本人八・海外二)が良いものから順に三点を選ぶ方式が取り入れられたが、不可解なのは、この後の審査過程だ。

 「ザハ案(今回採用された女性建築家)以外、豪州と日本の設計事務所の案が残りました。ここから安藤さんの意向で日本案が外され、最後は二案になる“決選投票”となったのです」(スポーツ紙デスク)

 今回の審査委員には外国人建築家が二人、名を連ねていたが、何とも不可解なことに、彼らは一度も来日せず、一次審査にも投票しなかった。ではどうしたかというと、二次審査に残った作品をJSC職員が現地まで持参し、順位とコメントを聞き取り、審査に反映させたという。だから、外国人審査員の最終決選においての発言はない。

 「決選投票は四対四で割れてしまい、その後もめいめいが意見を述べましたが、いったん休憩しようということになった。で、皆が席を離れた後、ひとりの委員が安藤さんに『こういうときは委員長が決めるべきでしょう』と話しかけたのです。実際、それ以上繰り返しても結果は変わりそうになく、安藤さんも『わかりました』と応じていました」

 安藤忠雄氏は、さきの有識者会議のメンバーでもある。

 「だから他の委員が詳しく知り得ない“上の意向”にも通じていたのでしょう。一時間ほどの休憩をはさみ、再び委員が席に着くと、安藤さんは『日本はいま、たいへんな困難の中にある。非常につらいムードを払拭し、未来の日本人全体の希望になるような建物にしたい』という趣旨のことを口にし、ザハ案を推したのです。そこで安藤さんは全員に向かって『全会一致ということでよろしいですか』と念を押し、誰も異論がなかったので、そのまま決まりました」

 皆さんもザハ・ハディド氏がデザインした新国立競技場のイメージ像はご存じだろう。安藤氏曰く、あれが『未来の日本人全体の希望』だそうだ。呵々大笑。どーでもいいけど、安藤忠雄という建築家は、ぜんぜん使えない東急東横みなとみらい線の渋谷駅を設計した人です。乗り換えるのに五分も十分も歩かされる不便駅です。

 「専門家が見れば、予算の範囲でつくれないのは審査段階でわかります。だいいち、建物の一部が敷地外に飛び出しており、本来ならば失格の作品を最優秀賞に選んでしまった。せめて招致が決まった段階で、ザハ案が違反であると公表し、十分な条件によるコンペを開いて仕切り直すべきでした。それをしなかったのは、安藤さんの責任でしょう」(今回、二次審査まで残った建築家の渡辺邦夫氏)


 ザハ氏の作品は、昆虫の触角のように伸びたスロープがJR線をまたぎ、施設の高さも制限をオーバーしていた。応募条件から大きく逸脱していたにもかかわらず、安藤忠雄氏はコンペの優勝者としたのである。ホワイ?

 ついでながら言えば、ザハ案は床面積を四分の三に縮小、高さも低く抑えるなど修正が必要だったのだが、どーいうわけか安藤さんはザハ案を選んだ理由のいっさいを説明しようとはせず、メディアにも口をつぐんだままだ。ホワイ? ただ、

〈コンセプトが強ければ後で修正できる〉
〈つくりあげるのはたいへん難しいが、日本の土木、建築技術は世界最高レベルにあり、乗り越えていける〉

 とは言ってるみたいですけど。渋谷駅同様、使えない競技場を設計したザハ・ハディド氏には『デザイン監修料』として十三億円が支払われる。

 「たしかに有識者会議でデザインは決めたけど、ぼくらは何の権限もなく、契約はJSCがやるわけだから、どうなっていくのかわかりません。五輪までに間に合ってほしいとは思いますけどね」

 こんな無責任発言をしたのは、有識者会議・佐藤禎一委員長(元文部事務次官)だ。

 未来の日本人全体の希望(安藤氏の発言)は、ぎりぎりの工夫をこらし、何とか一六二五億円で建設できるとの見通しを立てたが、やはり、使えない文科省とJSCだけあって甘かった。消費増税に加え、資材や人件費の高騰で、〈未来の日本人全体の希望(安藤氏の発言)〉には二五二〇億もの予算がかかることになったのである。

 さらに言えば、本来なら昨年七月に始まるはずだった解体工事の入札で官製談合の疑いが浮上し、昨年十二月、三回目の入札でようやく業者が決まるなど、JSCがいかにお粗末な組織であるかも判明した。

 また、東京オリンピック・パラリンピックに先んじて、二〇一九年にはラグビーのワールドカップが日本で開催される。このメインスタジアムも新国立競技場だから、JSCは工事を急がなければならないのだが、ザハ案のままでいくとW杯までに競技場の完成が間に合わず、開閉式の屋根工事は先送りすることになった(開閉式屋根の工事費一六八億円は今回の二五二〇億円に含まれず)。

 屋根工区を担当するのは竹中工務店だが、同社はテレビのニュースを見て、初めて開閉式屋根工事が先送りになったことを知ったのだという。つまり、JSCから知らされていなかったということだ。JSCの担当者は文科省の出向者ばかりだから、民間のルールとか取引先との信頼関係というのがわからないのだろう。元文部事務次官も有識者会議の委員長だってえのに、あんな無責任な発言をするし。

私は思う。いったい誰がこんな滅茶苦茶なプランをゴリ押ししたのかと。

 テレビ東京の『午後のロードショー』は今年二〇年目を迎えるが、今月の特集は「サメ」だ。残念なことだが、日本には「サメの脳みそ」と揶揄された元総理がいる。森喜朗氏だ。東京オリンピック・パラリンピックの実現には、ITを「イット」と読んで笑われたサメ頭の暗躍があるとも言われているのだ。

〈当初、五輪招致への再挑戦に消極的だった石原氏を口説き落としたのが森氏だった。スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏は、「そこには森氏のしたたかな計算があった」と指摘する〉

 「森氏は日本ラグビー協会の会長を長く務め、二〇一九年に日本で開催されるラグビーW杯招致に尽力していました。彼の狙いはまさにラグビーW杯の会場として新国立競技場を建設することでした。ラグビーW杯は準決勝と決勝の会場は集客人数八万人以上が望ましいとされているのですが、ラグビーW杯のために新国立を主張しても世論は動かせない。そこで、東京五輪のメインスタジアムにすることを口実にしたのです」

 そして、こんなバックグラウンドも。

 「石原氏が再立候補の狼煙を上げた日本体育協会とJOCの一〇〇周年事業のレセプションは、森氏自ら実行委員長を務めていました」

 新国立競技場建設を既定路線としたのは、JSCが新体制になってからのことだ。

 「新理事長に就いたのはラグビー協会の理事・河野一郎氏でした。彼は筑波大の教授で、五輪やラグビー代表のチームドクターでもあったドーピングの専門家。英語が堪能で弁も立つことから、森氏の強い意向で二〇一六年の五輪招致委員会の事務総長に選ばれた」(スポーツ紙記者)

 が、彼が力を入れたのはラグビーW杯招致のほうで、二〇一六年の五輪招致には失敗する。

 「ラグビーW杯招致にばかり熱心で、IOC委員にアタックできるチャンスをみすみす逃していたと招致委員会内部からも批判の声があがっていました。それなのに招致失敗の責任をとるどころか、スポーツ行政の鍵を握るJSCのトップに就任したので、周囲も驚いていました」

 森喜朗氏の狙いがラグビーW杯の開催にあり、そのためにまずオリンピック・パラリンピックの東京開催を実現させ、JSCの理事長に息のかかったラグビー協会の理事をスライド就任させる。そして、W杯の準決勝・決勝戦を行なうため、八万人を収容できるよう国立競技場新しく建て替えさせた――、とすれば、森氏はたいしたマキャベリストではないか。

 その森喜朗氏は、建設予算が二五二〇億と決まった直後、「これはあくまで国家プロジェクト」と言い放った。すごいぞ森喜朗! オリンピックをラグビーワールドカップの出汁にするなんて。

 だから、もしかしたら、多くの人が森喜朗氏に踊らされていたのかもしれない。
 週刊新潮の記者さんが、ザハ案を採用した安藤忠雄氏を自宅近くで直撃している。

 「いや、ちょっと、私わからない。またね」

 食い下がる記者さんに、安藤氏はキレたそうだ。

 「いいから、来んといてくれや。はい、さいなら……、ええ加減にせえや! もう帰れよ!」

 紳士の振る舞いからは程遠い安藤氏だが、この人も、踊らされているのだろう。

 ラグビー好きなひとりの思惑と文科省、その文科省から出向したJSCとが、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアム建設予算をアンビリーバボーな二五二〇億円にまで押し上げた。実にぼんくらな仕事ぶりである。

 新国立競技場の工費は二五二〇億だが、ここには一万五〇〇〇席の仮設スタンド、開閉式屋根の工費(一六八億円)は含まれていない。べらぼうな費用がかかる新国立競技場は、しかし、完成した後も問題をはらんでいる。

 競技場の維持管理費に、五〇年間で一〇四六億円が必要になるというのだ。年間収支の黒字見込みは約三八〇〇万円ほどで、すると、新国立競技場は、毎年二〇億円前後が赤字になる。文科省やJSCは、その赤字ぶんの補填すらも、私たちの税金で補う心づもりでいるのだろう。

 ザハ氏のデザインは「キールアーチ構造」と言い、二本のアーチで建物を支える特殊な構造になっているらしい。安藤忠雄氏は、日本の技術ならキールアーチを完成できると言っている。

 私も、そうであることを願っている。文科省とJSCの仕事ぶりはお粗末きわまりなく、計画が二転三転してきた。工事だけはしっかりと、見事な新国立競技場をつくってほしい。

 ぼんくらなお役人のぼんくら仕事を民間企業がカバーする。それが、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックである。

参考記事:朝日新聞・東京新聞・毎日新聞7月8日他
週刊文春6月4日号 週刊新潮6月18日号

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